新聞掲載のお知らせと内容の補足
本日、京都新聞に当店記事を掲載いただきました。
取材頂いた京都新聞社様ありがとうございます。
紙面は字数の関係上、伝えきれていない私の思いについて、ここで補足させていただきます。
2020年11月18日13面 京都新聞社
要旨
記事の趣旨は、「ニューノーマル」という事でコロナ禍において、加速するEC市場(ネット販売)について、中小企業としての立場から現状と今後の見通しをお伝えするという事でした。
記事にもある通り、当店ではコロナ前から本サイトの構築を進めておりました。
約1年前から稼働し、お客様からは、「当店に来たかってが今年はコロナで来れないので、困っていたが、ネット販売を発見できて嬉しい」というお声をいただきます。
こうしたお声を聴きますと、準備をしておいて本当に良かったなと思います。
今後もデジタル社会はどんどん加速していきますが、私はその中でアナログ文化をどのように残していくかを主体的に考えていきたいと考えます。
越境ECについて
こうしたお客様からの声は国内にとどまらず、海外のお客様からも同様にお聞きいたします。ただ、越境ECとなりますと配送面で国内と比べ、いくつかハードルがあるのも事実で、特にコロナ禍にあっては、航空便が飛ばないという事が大きな障壁でした。
現状においては、徐々に改善してきていますが、まだまだ元通りには至っておりません。ですので、整備をすれば勝手に売れていくような簡単な構図ではないというのが本音です。
記事では、今後もどんどん伸ばしていけるというトーンで記載されていますが、そう易々とはいかないと感じています。
店舗とネットの役割について
一方で、「店舗」と「ネット」の定義が実感として変化してきたようには感じております。最も分かりやすいのは、ウィンドーショッピングからの衝動買いという、これまでなら当たり前だった購買行動が激減している点です。
実はこの変化自体は今に始まったことではありません。40代以下の方の多くは、既にこうした行動が主であったように思います。これがコロナをキッカケとして、50代以上の層のお客様にも浸透してきたという実感があります。
皆さんもご自身の行動を振りかえってみられると、思い当たりませんか?調べてから目的のお店に行く。という行動が以前に比べて多くなっているかと思います。
こうした変化への対応として、
「知る」「調べる」「比較する」「買う」「共有」するという行動ごとに、「店舗」と「ネット」それぞれにおいて、対応する事が大切だと私は考えます。
このような考えから「店舗は売るだけの場所ではなく、実物を触ってサイズ感や色や素材感や試し押しなどネットでは実現できない部分を担う場所になる」とお話させていただきました。
アナログ商品の場合、そのアナログ感を確認する場所として、「店舗」はとても重要な場所になっていくと思っています。
「8割も可能だ」の趣旨説明
記事の中で、「将来的には8割も可能だ」と記載されています。これをもう少し具体的に説明しますと、「将来的にECはどの程度になると考えているか?」との質問に対し、「5~10年の長期スパンでこのような状況が続くなら、結果的にネット販売が全体の販売の7~8割まで拡大する可能性もあるではないか」とお答えしました。
要するに「ネット販売をどんどん拡大する」という事が言いたいのではなく、「この状況が続くと、店舗の売上がさらに減少するので、他の方法を模索して販売していかないと、廃業してしまう可能性がある」という意味でお答えしております。
この点は記事が少し誤解を招く表現だったので、訂正させていただきます。
中小企業経営者の皆様へ
今回、本取材をお受けした最も大きな理由は、このメッセージを世の中に発信したかったからです。
2020年は多くの中小企業様にとって、辛い年になっていると思います。私はサラリーマンもやっておりました。サラリーマンと経営者では責任の重さ、精神的な重圧が比べ物にならないのを肌で感じております。
特に京都の企業様をはじめ、インバウンド需要の割合が大きかった地域の企業様への影響は計り知れないと思います。私もその1人です。(私の場合はさらに「ハンコ不要論」も重なってきましたので。。。)
ですが、忘れていただきたくない事があります!
それは、「その企業様が社会に提供してきた価値が突如なくなった訳ではない」という事です。
単純に販路が消えてしまったという事だと思います。
であれば、その販路を自ら創造すればいいのです!
私はこの方法の1つとして「shopify」というECシステムを用いました。他の方法も沢山あると思います。
貴方も諦めずにやってみませんか?仕組みを時代に合わせ、大切なものを残していきませんか?
私はこれを実施する上で、大事なポイントが3つあると思っています。
①その企業様の「中核技術」が何か?これをまずは徹底的に考える。
②「中核技術」以外の部分は1日でも早く根本的に変化させる
③自らの存在を発信し、繋がる
なお、①について企業として見つからなければ、社長さん自らの得意分野(相対的に)と置き換えても良いかと思います。
今の世の中で求められているのはこの3点だと私は思います。
きっと何か見つかります!周囲の方に聞かれても良いと思います。
あとは、これを「やるか」「やらない」かの2択だと思います。
私は「やります」
後世に大切なものを残すために「やります」
こんな世の中に負けず「やります」
皆さんも一緒に「やりませんか?」
田丸印房 五代目 田丸琢