ここでは、私(寺町店 店主「龍禅」)の石の磨き方をご紹介します。
あくまでもこれは私の磨き方ですので、絶対的なものではありません。したがって、参考程度に見ていただき、ご自身が工夫する材料にしていただければ幸いです。

①篆刻を行う上で最初に大切になるのが石磨きです。これは印材に 字入れをする前に印面(彫る面)を平らに整えておく作業です。  写真では判りにくいかもしれませんが左が磨く前の青田石、右が磨いた後の青田石です。  この右の写真のように印面だけでなく、上部にも丸みを持たした形にするのが扱い易いと思います。

②まず石には印材を保護する為に蝋(ろう)が塗られている場合が多いので棒切れや板のような石を傷つけない物で蝋をこそぎ落とします。  篆刻する時もやはり印面の蝋を取ってからペーパーで、面すりをしたほうがいいです。

③蝋がきれいに落とせましたら次に耐水ペーパーで磨いていきます。  耐水ペーパーの400番、600番、800番、1000番、1200番(←ここまで使わなくてもいいですが)を用意して下さい。  石の大きさにあわせて小さく切り、それを半分位に折って使います。

④水を用意しペーパーに少量の水をつけます。  水に付けるのは削る面とペーパーを接着するためです。  実際に水がある場合とない場合で比べるとその違いが判るかと思います。

⑤印面を400番から1200番まで順番に磨いていきます。間を飛ばすと最後の仕上がりが変わりますのでとばさないでください。  四方向を均等に磨きましょう。数を数えて四方向同じ数だけ削るなどすると、比較的均等に削れると思います。 まっすぐ平面にみがくのは思っている以上に難しいものです。コツは「力をいれないこと」と、出来るだけ「印材の下部分を持つ」ことです。

⑥印面がある程度削れたら、次に印材の頭(上)の部分は角を磨いて丸みをつけましょう。この時、誤って印面(下)の部分を丸くしてしまわないように気をつ けましょう。

⑦耐水ペーパーの番号を変えるときは必ず一度石を洗ってから磨くようにしましょう。 400番から1000番まで順番に磨けましたら(頑張る人は1200番まで磨いてみてください あまり変わらないかもしれません)水気をとって乾いたら研磨剤(金属磨き)で磨きます。 写真はドイツ製の研磨剤アモールです。 研磨剤や耐水ペーパーは金物屋さんや刃物屋さんで扱っておられます。 なお、残念ながら当店では販売いたしておりません。

⑧研磨剤をぼろ布などに少量つけて磨きます。 つけすぎないようにしましょう。ピカピカになれば完成です。 あまり光り過ぎるのも良し悪しなので研磨剤を使うなら1200番は必要ないと思います。 これで安い石も結構立派になったはずです。


ただ私も何度も経験しておりますが磨いても磨いても綺麗にならない石もたくさん有ります。 また、稀に蝋を落とすと質が悪くなるものもあったりもします。すべてとは言いませんが、それらの石は彫りにくい場合が多いです。。。
この彫りやすさというのは、石による全体的な傾向はありますが、実際に彫ってみたり、磨いてみたりしないと判らない(断定できない)ものです。 ただ、それ故に良い石(自分にとって彫りやすい石)に巡り合った時の感動はひとしおです。


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